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弁護士リレーブログ

素人判断は大怪我のもと

2018.11.26

1 弁護士は事件を受任した場合は,できる限り早く事件処理に着手し,遅滞なく対応しなければなりません(弁護士職務基本規程第35条)。これは,通常の事件であれば当たり前のことです。しかし,事件が専門訴訟の一つである医療過誤事件の場合は,そんなに簡単なことではありません。

例えば,ご主人に脳腫瘍が見つかり,手術をすれば助かりますと医師に言われて手術を受けたのに,術後に意識が戻らず死亡してしまったというケースを考えてみて下さい。

医師が手術をすれば助かると言ったため手術を選んだのだから,手術の結果,ご主人が死亡したなら,約束に違反しているとして責任を追及できるようにも考えられます。しかし,医師が手術の危険性や合併症の可能性を全く説明せずに手術に至ったとはなかなか考えられません。まして,インフォームドコンセント(説明を受けた上での同意)の重要性が叫ばれている今日,そんな無防備な手術承諾の取り方をしている医療機関は少ないと思います。

とはいえ,仮に問題となる手術の危険性や合併症が説明されていたとしても,その説明自体が間違っていることだって考えられます。その場合は,責任を問うことが可能かもしれませんが,ご主人が亡くなったことまでの責任を追及することは困難かもしれません。

更に,手術の危険性や合併症の説明に問題がなくても,そもそも,ご主人に対して,その手術を実施する適応がなかったかもしれません。そうであれば,手術を実施したこと自体が問題になるかもしれません。

この他,実際になされた手術の際に問題を発生させ,大事な血管を切断し,あるいは術中の血圧の低下に適切に対処しなかったため,手術結果が悪くなったのかもしれません。この場合はご主人が死亡したことは言うに及ばず,元気になって働けたことによって得られたはずである利益(逸失利益)まで賠償を求めることが可能になるかもしれません。

このようなことを考えるならば,相談を受けたケースに過誤があったかどうか,あるいはどのような過誤があったのかを,専門家の助言なしに判断することは困難であるということはよくお分かり頂けると思います。

 

2 ところが,少し前までは,先に述べた弁護士職務基本規程が存在することもあり,ともかく,医師・医療機関に対して,内容証明で問題点だけでも指摘しておこう,あるいは,受任から時間も経っているから,訴訟だけでも起こしておこうと選択される弁護士さんが少なくありませんでした。また,相談者の側でも,結果が悪かったのだから調査などで余分な時間を費やさず,早く責任を追及して下さいと,おっしゃる方も少なくありませんでした。

そのお考えの裏には,結果が悪かったのだから,責任を追及できるのは当たり前であるとか,結果が悪かったのだから医師が謝罪するのは当たり前だという思いがあるのかもしれません。あるいは,裁判になれば真実が全て明らかになるのだから,なぜ早く裁判を提起しないのかという,民事裁判に対する大きな誤解があるのかもしれません。また裁判までは無理でも示談なら簡単にできるのではとの思い違いもあり得るでしょう。

しかし,医療は結果を保証するものでも,単に結果が悪いからといって責任を追及できるものでもありません。医師の責任が問えるのは,医師がきちんとした医療行為を行っておれば,悪い結果が発生することが避けられたのに,きちんとした医療行為を行わなかったがため,悪い結果になったという関係がなければなりません。またここでのきちんとした医療行為というのも,理想の医療行為ではなく,注意深い通常の医師であれば当然行い得た医療行為が基準になります。

また,医師の謝罪を得ることは,責任を認めさせることよりも数段困難なことで,訴訟で仮に勝訴しても,謝罪が得られる訳ではありません。

しかも,民事裁判では,刑事事件のように原告側に捜査権限がある訳でもなく,また,裁判官が真実究明のために,職権を発動して調査してくれる訳でもありません。あくまで担当した原告側弁護士が提出した証拠の範囲内で,合理的な判断をしてくれるだけです。そうであれば,原告側が把握できていない事実は,鑑定によらない限り,裁判によっても明らかになることは殆どないと言っても過言ではありません。しかも裁判所が鑑定を認めるケースは数%くらいではないでしょうか。そうであれば,裁判で追及できないことが,示談で追及できるはずもなく,そんなケースが示談になるのは,わずかの見舞金の支払いに医療機関側が応ずる場合くらいではないでしょうか。

 

3 このような事情があるので,医療過誤事件の責任追及において,調査費用を支払って専門家の意見を得るということ,及び,そのため真相究明に時間がかかるということは,避けがたいことです。この辺りをよくご理解頂き,場合によれば,費用をかけて真相が明らかになっただけで,責任追及に至らない場合もあることもよくご理解頂いた上で,相談にお越し頂きたいと思います。

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