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弁護士リレーブログ

医療事件の解決方法としてのADRについて

2017.11.26

私が代理人として医療ADRの申立てをしたある医療事件について,先日,相手方の病院との間で和解が成立しました。

ADRとは耳慣れない言葉かもしれませんが,Alternative Dispute Resolution(代替的紛争解決手続)の略で,仲裁・調停・あっせんなど裁判によらない紛争解決方法のことを指します。
ADRの実施機関としては,行政機関・弁護士会・その他の民間団体などがあります。
ADRに関する法律としては,「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(平成19年4月1日施行)があり,この法律に基づき各種の団体がADR実施機関として法務大臣に認証されることになります。そして,ADRの中でも医療事件に関するものが一般に「医療ADR」と言われています。

大阪でも平成21年に「一般社団法人総合紛争解決センター」(現:公益社団法人民間総合調停センター)が設立され,認証ADR機関として仲裁やあっせんのADRを実施しており,同センターでも医療ADRを実施しています。同センターの医療ADRの場合,選任される和解あっせん人は3名であり,弁護士2名(患者側の代理人として医療事件を手がける弁護士と病院側の代理人として医療事件を手がける弁護士)及び医師1名の構成となっています。

医療事件において,ADRを申立てるメリットとしては,①手続費用が訴訟や裁判所の調停に比べて低廉であること②解決までの期間が比較的短いこと(平均して数ヶ月程度)③医療事件に詳しい和解あっせん人が選任される点などがあります。
一方で,ADRのデメリットとしては,①法律上病院側にADRに応諾する義務はなく,病院側が応諾しないとADRの手続きは打ち切られてしまうこと②病院側がADRに応諾したとしても,あくまでも話合いの手続きですので,病院側の過失や因果関係の有無,損害額などについて対立が激しい場合には,和解が成立せず,改めて裁判所に対して訴訟提起等をしなければならない点などがあります。
したがって,医療事件の解決の方法として医療ADRが適している事件の典型としては,病院側の過失や因果関係について大きな争いがない事件や損害額がそれほど大きくない事件が挙げられます。

このように医療事件を解決するための方法としては,当事者間での話合い・裁判所における調停・訴訟のみならず,今回紹介したADRという制度もありますので,医療事件を弁護士に依頼される方は,どの方法を利用することが適切なのかについて弁護士とよく相談して決めることをお勧めします。
(執筆担当:会員弁護士T.H.)

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