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医師の働き方改革とは

2024.04.30

皆さんは、医師(特に病院で働く医師)の長時間労働についてのニュースを、新聞やテレビ等で見聞きされたことがあると思います。長時間勤務を強いられた医師が自死を選択したという痛ましい事件が報道されることもことも、決して珍しいことではありません。

医師が長時間労働を強いられる原因としては、医療需要の多様化や増加、医療の質の維持向上、医療界での人手不足など、様々なものが考えられますが、常態化している医師の長時間労働を放置することは、当該医師個人の問題に留まらず、医療を受ける私たちにも不利益をもたらす恐れのあるものだと言えるのではないでしょうか。

 

2024年4月、「医療法等改正法」(良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律)が施行されました。

2019年4月以降、所謂、働き方改革によって、多くの業種で時間外労働時間の上限が設けられましたが、建設事業や自動車運転の業務などと同様に、勤務形態の特殊性から医療業界も上限規制の適用が5年間猶予されていました。

 

2024年4月から始まる医師の働き方改革の主なポイントを紹介します。

① 「時間外・休日労働の上限規制」が適用される

医師に対しても、時間外労働制限を設けなければなりません。

2024年4月以降、医師の時間外労働時間は、原則として年96 0時間、月100時間未満に制限されますが、一部の医療機関では、上限が年1860時間まで緩和されています。

② 時間外労働の上限を超えて働く医師に対しては、「追加的健康確保措置」の実施が求められる

その内容としては、連続勤務時間制限・勤務間インターバル、医師による面接指導、結果を踏まえた就業上の措置等)が挙げられます。

 

医療の高度化、社会の高齢化により医療需要は、増加の一途を辿っています。医師の適切な労働時間の管理を行いつつ、安全で質の高い医療を確保していくことは、決して容易く実現するできるものではないでしょう。しかし、医師の疲弊が、医療ミスを誘発する原因の一つであることは想像に難くありません。

私たちが安心安全な医療を享受するためにも、医師の働き方改革の推進が必要だと思われます。

 

会員弁護士Y.U

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