医療問題研究会会員の取扱事例の紹介
- 外科系
- 内科系
- 産婦人科系
- その他
外科系
心臓カテーテル手術の失敗による死亡事例
患者年齢・性別 | 70代・男性 |
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診療科目 | 循環器科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
担当医は心臓カテーテル手術の際に、大動脈起始部の血管にカテーテルで亀裂を生じさせ、心タンポナーデを発生させた。
ところが、同医師はカテーテル操作による止血にこだわり、
心臓血管外科の医師への連絡が遅くなった。このため、開胸手術までに患者が心停止に至り死亡した。
バイパス手術の手技の誤りがあった事例
患者年齢・性別 | 40代・女性 |
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診療科目 | 外科 |
解決結果 | 訴訟上の和解成立 |
診療経過概略
カテーテル検査中、血圧が低下して意識を失い、緊急冠動脈バイパス手術が行われたが、動脈を静脈に誤って吻合した。
顎変形症の手術後の患者管理ミスにより植物状態に至った事例
患者年齢・性別 | 20代・男性 |
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診療科目 | 口腔外科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
顎変形症の手術後の患者について、術後の出血等の管理に問題があり、意識レベルが低下して心肺停止状態となり、救命はできたものの植物状態になった。
急性動脈閉塞の見落としで左下肢が壊死した事例
患者年齢・性別 | 20代・女性 |
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診療科目 | 整形外科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
交通事故により左大腿骨骨幹部骨折を負った患者に対して骨折の修復術を実施した後、急性動脈閉塞を発症していることの診断・治療が遅れたため、左下肢が壊死するに至った。
右親指をつき指した患者に、手術の遅れから
IP関節の可動域制限という後遺障害が残存した事例
患者年齢・性別 | 40代・男性 |
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診療科目 | 整形外科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
本件患者のつき指(マレットフィンガー)に対しては,保存療法のみが実施されており,一向に快癒に向かわなかった。他院で診察を受けたところ,早急に手術をすることを勧められ,手術を受けたが,すでに関節拘縮が進んでいたことから,可動域制限の後遺障害が残った。
内科系
新生児感染症による新生児髄膜炎で脳性麻痺となった事例
患者年齢・性別 | 新生児・男 |
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診療科目 | 産科 |
解決結果 | 訴訟上の和解成立 |
診療経過概略
母親から新生児感染症を垂直感染した新生児につき,発熱もあったのに感染症罹患に対する十分な検査を行わなかった。生後3日目の緊急細菌検査結果も見落とし,遅れて転院したものの、新生児は細菌性髄膜炎に罹患しており,脳性麻痺になった。
痛み止め注射による
アナフィラキシーショックにより死亡した事例
患者年齢・性別 | 60代・女性 |
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診療科目 | 整形外科 |
解決結果 | 訴訟上の和解成立 |
診療経過概略
患者は運動後に右肩等に痛みが残るとして整形外科を受診し、痛み止めとしてキシロカインを注射してもらったところ,アナフィラキシーショックに陥った。ショックへの対応が遅れにより死亡した。
交通事故受傷者が入院中の
低カリウム血症の見落としで突然死した事例
患者年齢・性別 | 50代・男性 |
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診療科目 | 整形外科 |
解決結果 | 訴訟上の和解成立 |
診療経過概略
交通事故により入院した男性が,入院の翌日,突然心停止をきたして急死した。調査の結果,入院時から患者は低カリウム血症をきたしていたが,医師らはこれに全く気付かず何らの手当てもしていなかったことが判明した。
膀胱がんの診断遅滞で排尿機能障害が残存した事例
患者年齢・性別 | 60代・男性 |
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診療科目 | 内科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
血尿,排尿時痛等の症状を訴えて受診した患者に対し、内科医は,血尿・排尿時痛の原因検索及び泌尿器科医への転送を怠った。
肺胞上皮癌の見落とし事例
患者年齢・性別 | 70代・男性 |
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診療科目 | 呼吸器内科 |
解決結果 | 訴訟上の和解成立 |
診療経過概略
咳のため通院し、非定型肺炎と診断され投薬のみで治療が終了した。しかし、その後も咳が止まらないので他病院で胸部CTを撮ったところ1年以上前から肺胞上皮癌であったと診断され、その後死亡した。
肝細胞癌の見落とし事例
患者年齢・性別 | 70代・男性 |
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診療科目 | 内科 |
解決結果 | 訴訟上の和解成立 |
診療経過概略
肝硬変で通院し、年末の超音波検査で異常があったが精密検査がなされなかった。数年後に腫瘍マーカー等の検査をしたところ巨大な肝細胞癌が認められて入院したが、手術ができないまま死亡した。
血尿を訴える患者についてPSA検査を実施せず、
前立腺癌の発見が約1年遅れた事例
患者年齢・性別 | 50代・男性 |
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診療科目 | 泌尿器科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
某年1月に泌尿器科医院を受診。血尿の症状があったが、医師はPSA検査を実施せず。翌年2月に別の泌尿器科を受診したところ、進行した前立腺癌である旨の診断を受けた。
ファイバースコープ検査において下咽頭癌を見落とし、
約2ヶ月後に別の医療機関における検査で
下咽頭癌であるとの診断を受けた事例
患者年齢・性別 | 50代・女性 |
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診療科目 | 耳鼻咽喉科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
患者は、咽頭痛、咽頭狭窄を訴えて開業の耳鼻咽喉科を受診していた。その間、担当医は、某年4月までの間、3回にわたりファイバースコープ検査を行っていたが、腫瘍等の病変を発見できなかった。某年6月、患者が別の耳鼻咽喉科を受診し、ファイバースコープ検査を受けたところ、下咽頭癌と診断され、咽喉・食道摘出術等の手術を受けることになった。
産婦人科系
双胎出産において胎児仮死所見の見落としがあった事例
患者年齢・性別 | 新生児 |
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診療科目 | 産婦人科 |
解決結果 | 訴訟上の和解成立 |
診療経過概略
妊娠34週での双胎出産に際し,分娩監視装置上,高度頻脈,遅発一過性徐脈,基線細変動の減少等の胎児仮死所見が認められたにもかかわらず,ただちに緊急帝王切開を行わず、約4時間後に施行した結果,1児が胎児死亡,1児が低酸素性虚血性脳症を負うに至った。
帝王切開の遅延のため,死産となった事例
患者年齢・性別 | 30代・女性 |
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診療科目 | 産婦人科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
遷延分娩に陥っていたにもかかわらず,いたずらに吸引分娩を複数回試み,帝王切開に着手する時期が遅れたため,死産となった。
出産後の弛緩出血への対応が遅れた事例
患者年齢・性別 | 30代・女性 |
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診療科目 | 産科 |
解決結果 | 訴訟上の和解成立 |
診療経過概略
出産後に産婦が弛緩出血から出血性ショックとなり死亡した。
その他
抜歯術実施後、大量出血を起こし、
救急搬送されて口腔外科に入院することになった事例
患者年齢・性別 | 60代・男性 |
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診療科目 | 歯科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
歯科開業医の下で抜歯術を受けた後、止血処置が不十分であったため、出血が止まらなかった。再度受診するも、適切な処置を受けられなかったため、別の歯科医院を受診したところ、ただちに総合病院口腔外科に救急搬送されたが、出血性ショックを起こし、2日間入院を余儀なくされた。
統合失調症の患者の自殺を防止できなかった事例
患者年齢・性別 | 60代・女性 |
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診療科目 | 精神科 |
解決結果 | 示談成立 |
診療経過概略
統合失調症により任意入院後、医療保護入院となっていた患者が、持ち込んでいたラジオの電気コードを使用して首をつって自殺した。自殺の数日前にタオルを使用して首を絞めて自殺を図るという出来事があったにもかかわらず、その後に電気コード付きのラジオの持ち込みを認めていた。