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弁護士リレーブログ

コミュニケーションは難しい

2018.06.02

医療過誤事件に係わって早20年程になります。その間に受けた多種多様な相談において,未熟な技術や杜撰な処置によって医療過誤が起こったというものではなく,コミュニケーション能力不足のため,医療過誤が起こったと誤解されているケースが意外に多いことに気付きました。

 

医療過誤の相談を受けた場合,カルテ等医療記録を弁護士が検討した上で質問事項書を作成し,専門医にカルテの詳細な分析および質問に対する回答を依頼します。

ところが,依頼者が医療過誤ではないかと不審に思っていた処置について,客観的に見て疑問視すべき点はないという予想外の回答が戻ってくるケースが相当数あるのです。即ち,その時の医療水準に照らして,当該医療機関としては全く問題のない処置を取っていたばかりか,寧ろ非常に良心的に治療を行っていたと考えるという意見が返ってくるのです。

では,なぜ依頼者(患者)本人,あるいはその家族は,治療に不信感を抱いてしまったのでしょうか。

じっくり話を聞くと,その原因は,医師の説明不足や患者に対する医師の姿勢にあると思われます。詳しい説明を求めたのに,素人に説明してもどうせ分かりっこないからという態度で軽くあしらわれた,色々尋ねると煩がられた,患者の側で調べると様々な治療方法があるようなのに,それらについての説明がなかった,等々の苦情が寄せられます。

 

医師としては,専門家として自信を持って処置を行うので,患者に一々説明をする必要などないと考えているのかも知れません。しかし,あの時に一言説明があったら,医師に対する不信感を募らせることはなかったであろうにと思われるケースは,弁護士としてもとても残念な気がします。これといった落ち度がなかったのに恨まれる医師,自十分な治療を受けられなかったのではないかという思いに苛まれる患者・家族,どちらも不幸です。

他方,インフォームド・コンセントという言葉がすっかり定着した昨今,治療法についての判断をすっかり患者に委ねてしまっているのではと首を傾げるケースもあります。

インフォームド・コンセントとは,「医師が患者に対して,受ける治療内容の方法や意味,効果,危険性,その後の予想や治療にかかる費用などについて,十分にかつ分かりやすく説明をし,その上で治療の同意を得ること」を言いますが,いくら説明を尽くされても,医師と患者との知識経験の差は非常に大きく,同じ土俵に立てるものではありません。あれこれメニューを示されて,「さあ,選択するのはあなたです。自己責任で選んで下さい。」と言われても,患者は当惑するばかりでしょう。これでは,患者のためのインフォームド・コンセントが,逆に医師の責任放棄に繋がりかねません。

医師は,万が一の際の訴訟リスクを考慮して,あれもこれもと説明しようとするのかも知れませんが,過ぎたるは何とやらで,過剰な説明は少なすぎるのと同じくらい不親切です。結局のところ、それもコミュニケーション能力が不足している状態だと言わざるを得ないのではないでしょうか。

 

インターネットの普及で患者側でも情報が簡単に手に入る今の時代,専門家だからこそ求められる説明の技術,患者と接する際のコミュニケーション能力が,医師にとって一層重要になってきたのかも知れません。

 

 

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